パートなど短時間労働者が手取りが減ると意識する「106万円の壁」の撤廃に向け、労使折半の厚生年金保険料の負担割合を変え、働き手の負担を軽減できる特例を厚生労働省が検討していることについて、日本商工会議所の小林健会頭は18日の記者会見で「企業に多くの負担を求めるのは不公平で、理由がない。理由がないことをするのであれば、企業側の負担を軽減する財政措置をぜひお願いしたい」と述べ、使用者側の負担増に偏る議論を牽制(けんせい)した。
106万円の壁を巡り、厚労省は厚生年金の加入対象となる年収要件(月額賃金8万8千円以上)と企業規模要件(従業員51人以上)を撤廃する方針を固めた。労働時間の要件(週20時間以上)は残る方向で、保険料の負担増を懸念する働き手が週20時間を超えないよう働き控えをする「20時間の壁」が生じるおそれがある。厚労省はこの課題への対策として特例を検討している。
小林氏は社会保険料の負担が…